『フランスオペラの夕べ』オペラサロン トナカイ終演しました

はい、ついに歌ってしまいましたフランス語の歌。
いやー、怖かった怖かったです。
トナカイ・フランスオペラの夕べ

無事に終わったフリした、すまし顔の写真です。
私のは、結局ふらんす語でした。


会場入りの時の土砂降りの雨のように、本番前の心は…

が、しかし、

今回の素敵な素敵な共演の皆さんの歌を聞いているうちに
私も諦めと言うか覚悟しました。
ええぃ、やってまえーって感じです。

トップバッターで歌われたソプラノ森真奈美さんは可愛いらしい
容姿とは裏腹に大人な立ち振舞いでとっても洗練されていました。
それでいて華やかですね。
繊細な表現から、ファウストでは迫真な熱い表現をしっかりされていました。

声も清々しく軽やかに超高音まで嬉々と歌われてました、流石だな~。
お話も丁寧で親切な解説をされていて、また流石だな~って感心でございます。

今回はご一緒のアンサンブルがありませんでしたが、
いつか一緒に歌えると良いなぁと思いながら聞いていました。
マノンが、私のお気に入りです。駄目もとで私デ・グリューに立候補したいです。

今回の、私の商売敵戦友のテノール岡坂弘毅さんは…
私はよくよく高音の強い人と組む運命なのでしょうか。

リハーサルから最高音をギャンギャン、ギャンギャンです。
そりゃ、もちろん本番も。

私のポケットにはハイC(すんごい高い例のあの音です)は
通常1個しか入っていないのです。
しかも叩いたら割れずに砕け散ってしまう、ガラスのハートです。

しかし、彼のポケットには多分3ダース半はあるんでしょうね。
余りの軽々さに怒りや嫉妬を通り越して、ちょっと分けてーって思いました。

否々、あるだけ全部よこせやゴルァ~‼

と追い剥ぎか山賊のような気持ちでおりました、ごめんなさい。

そんな岡坂さんの連隊の娘は、もう、その後で歌うテノールとしては
…正直辛いです。
颯爽と歌い、飄々とお話されて、まー腹が立つくらい爽やかでした。
参った参った。

お二人のファウストは、私は一通り自分の難しい曲を
歌った後でしたので、心から楽しめました。

途中、びっくりメフィストフェレスも乱入してのドラマティックな演奏でした。
興味深く面白かったです。

そんなお二人の終演後は~

めちゃめちゃ仲良しな二人です‼
差し入れのお菓子まで、まさかの一緒という以心伝心ぶりでした。
羨まし~

そして、真打ち、輝くばかりのジュリエット、
ソプラノ砂田愛梨さんは、とにかく素晴らしいの一言です。

リハーサルの時の、ちょっとおっとり穏やかな感じも可愛いらしいのですが、
本番に向けてしっかり主役の風格をきりりと美しく醸しだしていました。

彼女が歌うジュリエットのアリアを聞いていたら、
私、解説で話すつもりだった事、きれいに全部忘れました。

おまけに次は自分の出番だって事も…

そう、ロメオは私でしたのに…

若々しく艶のある声だけでなく、
とっても生き生きと輝いた歌も所作もしてました。

それもあのテクニックの裏打ちがあっての事でしょう。
あ~、ジュリエットってこんな娘なんだ~素敵だねって素直に思いました。

後半で歌われたミニョンの、これまた超絶に難しい曲を
いとも容易く説得力のある歌唱をしてました。

それも素晴らしく美しく。

浜松町に妖精降臨です。


そして、私達全員を暖かく見守って、一緒に歩いてくれた
ピアノ神保道子さんに感謝感謝です。

神保さんとは私が学生の時からのお付き合いでしたが、
ほんとに一緒に歌わせてもらったのは何年ぶりでしたでしょうか~
ありがとうございます!
一緒に新しい音楽を演奏できて良かったです。

神保さんにも、ずっと励まされっぱなし、おだてられっぱなしで、
どうにか木登りできました。
潤平もおだてれば、ジュリエットに逢う為ならバルコニーでも登るんです。

あ、私、高いところ、本当に無理なんです。すみません。
どこかの街の傾いた塔なんて、本当に無理です…


で、私の演奏はどうだったかと言うと、
もう歌う前から素敵なジュリエットにメロメロな訳で、
解説もあたふた、しどろもどろの泥まみれです。
水田のロメオです。

そして1曲目の”アリア太陽よ登れ”を歌う直前にふと、
「マノン、連隊の娘、ジュリエット…
あれ?何かおいらの曲だけ妙にダルいんじゃないの?
お客様、寝ちゃうんじゃ?」
なーんて集中力、緊張感の欠片もない余計な事思ってしまいました。

十二分これも難曲なのに…そんなスタートしてしまいました。
曲の内容とは裏腹に青息吐息です。気がついたら終わってました。

幸いな事に、アリアの後に砂田さんが
二重唱歌う為にちゃんとお約束通り出て来てくれました。
ありがたいありがたい。

やっぱり素敵なソプラノさんは共演のテノールを活かす術を知っているんですね。

砂田さんはリハーサルの時から「相山さんと歌えて嬉しいです~」とか
「こんな声出るなんて凄いです~」なんて、
あんな可愛いらしい瞳で言われたら、
日本社会の社交辞令、お世辞ってわかっていても
鼻の下が爪先に着く位ノビノビです。

ちょっとした妖怪ですね。

こちらの思考回路がまだ若干イタリア製なので余計に効きますです。

はい、なけなしのハイC、貴女にあげますってなもんです。

そんな訳で、何があってもこの二重唱は
この娘さんの為にちゃんと歌おうと固く心に誓っていたのですが…

ジュリエットの純白のドレス姿が綺麗過ぎて、眩しさに目が眩みます。
一瞬また、いつも通り心が負けそうになりましたが…

ここの場面は既に男女の仲になっての二重唱なので、
かなり濃厚に密着していて良いのです。
良いはずです。

今回は砂田さんのお言葉に甘えて、とっても役得でございました。
どうもすみませんm(_ _)m
彼女の豊かな響きのある美声と甘いメロディを誰よりも間近で堪能出来ました。

え?私の歌ですか?もちろん何にも覚えていません。ごめんなさい。
とりあえずポケットは空っぽになりました。

終わってお写真撮ってもらいました~

砂田さんのこのドレスは後半、ミニョンの妖精さんです。
妖精と妖怪、一文字違いでここまで変わるの図、です。
はやくにんげんになりたいです。


私は後、もう1曲ウェルテルのアリアを後半に歌ったのです。
この歌を思うとミラノのマリア先生を思い出します。

曰く
「いいこと?テノールはアルフレード・クラウスみたいに
兎に角かっこ良くなきゃ駄目なのよ。
本当に素敵だったわよ彼は♡×100…。
ジュンペイ、あなたは声は綺麗なんだし
高い声も自信を持って、彼みたいになるの!!
とりあえず…痩せなさい。」

って御年80を過ぎた先生の教師の顔から
一気に女の顔になっての随分な指令に
心の中で即却下の毎日でした。

高すぎる山は登るものではありません。

そんな神様仏様クラウス様の十八番の演目がこのウェルテルです。
もし良かったら一度是非映像でご覧下さい。
若きウェルテルの悩みをしっかり悩ましく気高い美しさで演じられてます。

…私の悩みは
今夜のご飯、カツ丼にするか豚カツにするか位です。

はい、私は空っぽのポケットをひっくり返しても
出てくるものはありません。一粒の希望もナシ。

とりあえず自決の拳銃を持っていなくて良かったです。

もちろん、全ての演奏後に
若干のアルコールで忘却を図ったことは言うまでもありません。

いつかは、ちゃんとレパートリーにしたいオペラではあるんですが…

とは言うものの、
素晴らしい共演者とフランスオペラの繊細さに触れられて、
とっても楽しい夜でした。

次はもう少し器用に甘々になれるといいなぁ~

この度は足元の悪いなかお越しくださいました皆さま、
ご来場頂き誠にありがとうございました。

今後もトナカイさんでは他にも興味深い出し物沢山ございます。
オペラサロントナカイさんのホームページはこちらです→

またのご来場こころよりお待ちしております<(_ _)>
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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プロフィール

あいやまじゅんぺい

Author:あいやまじゅんぺい
相山潤平
オペラ歌手(テノール)
国立音楽大学大学院修了
ミラノ市立音楽院修了
リッソーネ市第2回国際オペラコンクール最優秀テノール賞受賞
日本とたまにイタリアで演奏活動中。

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公演予定
2017年3月9日(木)
オペラサロントナカイ「テノール・ガラ」
浜松町 サン・ミケーレ
18時30分開演

2017年3月25日(土)
プッチーニ「蝶々夫人」
つつじヶ丘児童館ホール
12時30分開演

2017年5月11日(木)
オペラサロントナカイ「イタリア声楽コンコルソ ミラノ大賞受賞 砂田愛梨ソプラノ・リサイタル」
浜松町 サン・ミケーレ
18時30分開演

        
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